ロードバイクの巡航出力の計算を行います。
・巡航速度と向かい風
・人の情報(体重と姿勢)
・自転車の情報(重量と、転がり抵抗)
を入力してください。必要なパワー(W)を求めることができます。
ロードバイクの【パワー】の計算機!パワー(W)と速度(km/h)、消費カロリーの関係|巡航出力計算機
ロードバイクの速度、姿勢、転がり抵抗、重さと出力の関係を理論的にまとめてみました。
抵抗は「空気抵抗」と「転がり抵抗」の2つ
抵抗は、空気抵抗と転がり抵抗の2つとなります。
空気抵抗の計算
空気抵抗は、
空気抵抗(N) = 1/2 × ρ × Cd × A × (速度+風速)2
で表すことができます。
空気の密度
空気の密度は、
P:圧力(hPa) ρ:空気の密度 R:気体定数2.87 t:温度 として、
状態関数 P=ρR(t+273.15) から
空気の密度 ρ=P/{2.87(t+273.15)}
であらわすことができます。
今回は1気圧=1023hPa,温度15度とし、1.24としています。
CdA
空気抵抗とは、
「空気がぶつかって遅くなった時に力(圧力×面積)に変わる」現象なので、
翼のように流線形だと低く、受ける面積が小さいと低くなります。
ここで、Cdは空気抵抗係数を表し、
流線形で空気を止めない形であれば低く、受け止めてしまう形状では高いです。
また、力は圧力×面積なので、全面投影面積(A)が大きいとより抵抗は大きくなります。
台風の時に大きな木の板をもって風上に向かって立つことを考えると
理解しやすいと思います。
今回、この2つの値を掛け合わせたCdA値をGgazinの記事より引用させていただきました。
下記図の通り
ドロップハンドルの上 CdA=0.277m2
ドロップハンドルの下 CdA=0.222m2
となるようです。
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転がり抵抗
転がり抵抗は、
転がり抵抗(N) = mg × 転がり抵抗係数
で求めることができます。mgは体重×重力加速度です。
転がり抵抗係数
転がり抵抗係数は、下記サイトを参考に参考値を持ってきました。
チューブレスタイヤだと中にワイヤーが入っている分
変形が小さく転がり抵抗は小さく、0.003程度。
チューブありだと、変形が大きく0.005程度になるようです。
抵抗→ワットへの換算
上記の計算式より抵抗値を求めることができました。
しかしどちらも、力(N)ですので、仕事率(W)に変換する必要があります。
仕事率(W)は 「1秒間に 1J の仕事をする仕事率」ですので、
1W= 1 J /s
= 1 N×m/s
で表されます。ここで、
N:先ほど求めた負荷、
m/s:速度の単位になっていますので、時速を代入します。
結果として、仕事量Wは
W= (空気抵抗+転がり抵抗)〔N〕 × 速度〔m/s〕
で求めることができます。
消費カロリーについて
純粋な消費カロリー
消費カロリーとワットの関係は
1J=4.2cal の関係から両辺を1sで割って、
1W=4.2cal で表すことができます。
また、消費カロリーは kcal/h で表されることが多いですので、
単位を変換し、
1kcal/h=W ×3600/1000/4.2
100Wで巡航している場合、
消費カロリー(kcal/h)=100*3600/1000/4.2=111kcal/h
となります。
人の消費カロリー
しかしながら、人が自転車に動力を伝えるまでにロスが生じます。
そのロス分は、熱などになって消費されます。
下記記事から通り、ロードバイクの消費カロリーは
メッツ=0.0564 × 仕事率(W)
消費カロリー=体重×メッツ=体重×0.0564×仕事率(W)
で表されることが分かっております。
60kgで100Wで走った場合、
消費カロリー=60×0.0564×100=338kcal/h
消費されることになります。
これから考えると、111/338=33%前後しか動力として伝えられていないことになりますね。
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