ランニングエコノミーとは?目指せサブ4!大阪マラソンへの道
マラソンにおいて必要なのは、
・心肺機能
・身体機能
と思い込んでいたのですが、いろいろと調べたところ、もう一つの要素として
「ランニングエコノミー」が必要となってくるということです。
このランニングエコノミーとは、「燃費のいい走り方」かどうかを表しており、
車で例えると、
という感じでとらえるといいかと思います。
ランニングエコノミーの指標⇒O2Cost
下記論文にランニングエコノミーに関する記述があったので簡単に要約をすると、
下記表のとおり、ケニア人と日本人に限界の速さで走ってもらいその際の酸素摂取量を比べたところ、
同じスピードで走っていても、ケニア人の方が必要な酸素摂取量が少なくてすんでいるという
データが出ており、この差こそがランニングエコノミー(燃費の良さ)の差になっているとのことでした。
上記のグラフを変換し、
1km当たりに必要な酸素量を算出した結果=(O2Cost)が下記のとおりです。
車の場合、ガソリン1L当たり何km走れるかとなっており、
数値が高いほど燃費がいいことを表していますが、
この式は、1kmあたりに必要な酸素量を表していますので、
数値が低いほど燃費がいいことを表しています。
このグラフからわかる通り、
ケニアの選手は日本人の選手に比べて約90%の酸素量で
1kmを走ることができていることが分かると思います。
ランニングエコノミー=燃費が良いか悪いかを示す指標が、このO2costとなっております。
O2costを計算してみよう
O2Costを計算するためには、
・VO2maxを計測,
・その際の速度Vmaxを計測
することで、下記計算式にて求めることができます。
例えば、VO2max=40ml/kg/minで、その時の速度が、Vmax=4min/kmであった場合、
VO2max*V=40ml/kg/min*4min/km=160ml/kg/km=0.16ml/kg/kmとなります。
単純に言うと、思いっきり走ったときに速く走れるのかということですね。
VO2max,LT,O2COSTよりフルマラソンのタイムを逆算してみる
このランニングエコノミー≒O2costを高める効果をより理解するために、
ランニングエコノミーによってどれだけタイムが変わるかを計算してみましょう。
日本人の一流選手の能力を
・VO2max=80ml/kg/min (1分間に酸素をどれだけ摂取できるか)
・LT=80%VO2max (乳酸をあげずに運動できる限界値≒マラソンを走り切れる%)
・O2COST=0.2ml/kg/m (1mあたりに必要な酸素量)
とすると、マラソンを走り切れるペースは、
80ml/kg/min×80%/(0.2ml/kg/m)=320m/min=3分7秒/kmペースということになります。
よって、42.195km走りきるタイムは、2時間12分です。
VO2max,LT値が全く同じケニア人の選手がいた場合、
先程の論文の通りランニングエコノミーは90%となるので、
80ml/kg/min×80%/(0.2*90%ml/kg/m)=355m/min=3分0秒/kmペースということになります。
フルマラソンのタイムで行くと2時間弱となり、現在の世界新記録とおおむね一致することになります。
このように、心肺機能、身体機能を高め、VO2max,LT値が同じ場合でも、
燃費の良い走りをすることで、タイムを大幅に伸ばすことができるということになります。
まとめ
以上のように、マラソンに必要な要素として、
ことが分かりました。
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